肉を控えてCO2減量
温暖化といえば自動車産業が何かと槍玉に上がるが、菜食主義者を筆頭に肉食生活を温暖化助長の主犯格とする声が高まっている。これまで議論の表舞台には立つことがなかった食肉産業と菜食のポテンシャルについて、The Huffington PostのKathy Frestonが議論した。
Frestonがまとめたデータによると、食肉大国のアメリカ国民全員がたった1日肉を断つだけで以下のことが可能になる。
・1000億ガロン(約3785億リットル)の節水。ニューイングランドの全世帯に4ヶ月間給水できる量に相当する(日本人一人あたりの1日の水使用量は330リットル)
・家畜飼料用の農作物15億パウンド(6.8億キロ)が不要になる。15億パウンドはニューメキシコ州全体(人口は200万人弱)の消費量に相当
・ガソリン7千万ガロン(約2億6500万リットル)の節約。カナダとメキシコの自動車すべてに給油してもまだ余る量
・土地300万エーカーの節約。デラウェア州二つ分の面積に相当。日本でいえば長野県の面積
・抗生物質33トンの削減
・二酸化炭素120万トン分の温室効果ガス排出を抑制。フランス全体の排出量に等しい
・土壌侵食300万トンとそれに伴う経済損害7千万ドルの阻止
・動物の排泄450万トンの抑制
・アンモニアの排出量約7トンの抑制。アンモニアは主な大気汚染源
さらに、Environmental Defense によると、アメリカ人全員が週に一度だけ鶏肉を断ち菜食で過ごした場合、自動車50万台分を超える二酸化炭素排出が抑制できるという。
家畜飼料の総量は世界で7億5600万トンにのぼる。プリンストン大学の生命倫理学者、ピーター・シンガーによると、この分量を絶対的貧困状態にある14億人に配分すれば、一人に0.5トン以上まわる。1日に換算すれば3パウンド(1.35キロ)となり、生存に必要な量の2倍が確保できる。さらに上の数字とは別に、家畜飼料として年間2億2500万トンの大豆が生産されている。シンガー曰く、「食糧が足りないわけではない。問題なのは、相対的に裕福なわれわれが、肉食によって本来の4、5倍もの農作物を消費するようになったことである」
国連食糧農業機関(FAO)報告書 “Livestock’s Long Shadow” によると、食肉産業の温室効果ガス排出量は世界の輸送システム全体(自動車、トラック、SUV、航空機、船舶)を約40%上回る。工業的畜産は地域的にも世界的にも、地球環境に甚大な被害を及ぼすという。
シカゴ大学の研究者らは、ハイブリッドカーに乗り換えるよりも、典型的なアメリカ人の食生活をビーガン食(卵、乳製品も含め動物性食品を一切排除した菜食主義)に転換するほうが、温室効果ガスを効果的に削減することができると主張。先の国連報告も、食肉産業が引き起こす地域的・世界的な環境問題は、地球温暖化だけに留まらず、土地の疲弊、気候変動、大気汚染、水不足、水質汚染、多様性の喪失といった問題を扱ううえでも中心的に議論されるべきだとした。
(出典について明記のない統計値は、New York University Polytechnic Instituteの物理学者、Noam Mohrの報告から算出した。
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ソース記事:The Breathtaking Effects of Cutting Back on Meat
Kathy Freston. April 1, 2009 Kathy Freston, The Huffington Post